ランナーのためのランニング障害SOS

まつだ整形外科クリニック

テーピング【後編】

2017年11月13日

こんにちは!埼玉県熊谷市のまつだ整形外科クリニック 理学療法士の法貴です。

今回はテーピング後編として、「足のテーピング」について取り上げたいと思います。



これから挙げるランニング障害の例は急性期には安静を必要とするものがほとんどです。

痛みが強い場合はテーピングを貼れば治るという訳ではありません。

必要に応じて運動量をコントロールすることも大切です。

一度痛めて今は治っている場合、痛まないけれど違和感があるときなどは効果的だと思います。

テーピングはあくまでもランニングを補助するものということを念頭に置いてください。

前編の体幹と同様に、今回も主に使用するのは伸縮性テープです。

それでは早速、代表的なものをいくつかみていきましょう!

太もも

腸脛靱帯炎

腸脛靱帯は太ももの外側にある靱帯で、大腿筋膜張筋や大殿筋(一部)といった股関節を動かす筋肉についています。

ランニングによりこれらの筋肉が緊張することで腸脛靱帯に引っ張られるストレスが加わります。

これを軽減するためにテーピングを使用します。

膝のお皿を目印に、お皿の斜め下の外側から股関節の外側に向かって軽く引っ張るように貼ります。

ハムストリングス肉離れ

ハムストリングスは骨盤の坐骨からすねの脛骨に向かって伸びているももの後ろの大きな筋肉で、全部で4つの筋肉の集合です。

完全な肉離れは安静が必要ですが、肉離れ後にランニングを再開するときなどテーピングを利用すると良いと思います。

膝の後ろ内側と外側から1本ずつテープをお尻の方にむかって貼っていきます。

できれば坐骨(座ったときにコリコリ当たるお尻の骨の部分)あたりまで長く伸ばすと効果が良いと思います。


お皿・膝

腸脛靱帯炎

1つ目に紹介したテーピングの方法とは少し違うテーピングの貼り方です。

腸脛靱帯の痛みが膝が外側にぶれることで生じている場合、こちらの方法の方が効果的です。

膝の外側を3本のテープで補強します。

初めに2本をクロスするように貼ります。

交わる点がちょうど膝のお皿の中央外側あたりに来るようになると良いです。

その上から1本まっすぐに貼ります。

鵞足炎

鵞足は膝の下方、内側についた腱が集合した部位のことを言います。

腸脛靱帯の時と形は同じで、逆の内側に貼ります。

鵞足炎は膝が内側へのひねりが大きくなることで生じやすくなるので、このように貼ることで痛みが軽減することがあります。

膝蓋靱帯炎

膝蓋靱帯はお皿と脛の骨を結ぶ強い靱帯です。

体の使い方によって、ももの前の筋肉ばかりに負担が集中した場合など、炎症を起こすことがあります。

まず膝を伸ばして力を抜いた状態にします。

テープの下2/3を縦に切り、つながっている方をお皿の上に貼りつけます。

そこからお皿を左右でぐるっと囲うように貼り、最後はお皿の下で左右のテープが交差するようにします。

ふくらはぎ

アキレス腱炎

アキレス腱炎も比較的ランナーに多い怪我になります。

アキレス腱が引っ張られ続けることで痛みを生じます。

踵からふくらはぎの方に軽く引っ張りながら貼ります。

1本でも可能ですが、2本使う場合はふくらはぎの左右に方向をずらして貼ることで安定しやすいです。

足の裏

足底腱膜炎

これは足底腱膜炎に対して、足底アーチの補助を目的としたテーピングです。

痛みが強い場合にはより強固に固定する場合もあります。

この方法では簡単に貼れますが、痛みが強い場合などはこれだけだと間に合わない場合もあります。

テープの下2/3を縦に切り込みを入れ、反対の端を踵に貼りつけます。

少し引っ張りながら母趾球と小趾球(親指・小指の根本の出っ張り)に貼りつけます。

外反母趾

革靴などと違いランニングシューズの場合は外反母趾の骨の出っ張りが当たって痛い、ということは少ないかもしれません。

ただし足の裏の筋肉を上手く使えていないことには違いないので、テーピングでサポートすることで、足首など他の部位の痛みが軽減することがあります。

幅の狭いテープを使うか、広いテープを縦に切って使います。

1つめのテープは母趾球の内側から内くるぶしの下の方に向かって引っ張ります。

2つめは母趾球のやや外側から足の甲に向かって持ち上げるようにして引っ張ります。

いかがだったでしょうか?

画像と文章だけではわかりづらいところもあったと思いますが、実際に貼ってみて変化を感じてみて下さい。

もちろんテーピングの方法はもっとたくさんあるので、また機会があれば紹介できればと思います。

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