ランナーのためのランニング障害SOS

まつだ整形外科クリニック

38キロ以降の大失速 その1

2014年3月31日

こんにちは!ランニング障害SOSサイトを運営している日本医師ジョガーズ連盟会員ランニングドクター(整形外科医)の松田です!

ほぼ1か月ぶりのアップになってしまいました(涙

大変、報告が遅れましたが東京マラソン走ってきました!

そして結果は「完走!」できましたが、大きな挫折を味わってきました(^^;

正確には38キロ以降の大きな壁・挫折です。

ゴールして荷物を預かるまでは歩けたのですが、着替え場所まで移動できず、倒れ込んでしまいました。

その後は1歩も脚が前にでずに医務室でお世話になる羽目に。

全くランニングドクターとして恥ずかしい限りです。

しかしこのままではいけません。

今回経験した「38キロ以降の大失速」

報告して、その原因と予防、対処法について書き記したいと思います。

東京マラソン結果報告

レース前の目標はサブ4でした。

ただ、練習不足でしたので正直自信はなかったのですが、参加できる喜びをパワーに変えて走ろうと決めていました。

レース展開目標として次の作戦を立てていました。

最初の5キロは少しゆっくりと29分ほどで、決して飛ばし過ぎないように入る。

次の5キロからキロ5分半(5キロ27分30秒)前後で刻み、30キロ以降は粘りの走りをする(体調による)。

そしてサブ4達成!そんなレースをイメージしていました(^^;

結果はご覧のとおり。

*東京マラソンのホームページより。

20140331

30キロまではほぼ予定通り。

38キロ通過タイムが手元の時計で「3時間33分3秒」。残り4キロ強を27分で走れば目標達成です。

よほどの失速、大失速でもない限り達成可能です。

でもダメでした。

「大失速」です。

38キロから40キロまでの2キロで12分55秒を要しました。

40キロ以降は見てのとおり。

残り2.195キロで15分50秒もかかってしまいました。

最後の数百メートルはほぼ歩いていました。

一生懸命に身体を動かしていたつもり(たぶん動かせていない)でしたが、前に進まず、よちよち歩きのような状況でした。

結果、目標のサブ4には及びませんでした。

それにしても40キロ以降の時間2キロがこれほど長いとは思いませんでした。

「楽しく走ろう!」がコンセプトだったのに真逆のレースとなってしまいました。

「なぜこのような結果となったのか?」

レース中に頭の中では原因はわかっていました。ただ、対処が適切ではなかったのです。

それではレースを振り返りながら、35キロ以降の身体の変調とその原因・対処について報告しましょう。

スタート時の気温は6度だったようです。

風もなく、多くのランナーにとって走るには好条件だったと思います。

体感としては「少し寒いかな」と思いながら走っていました。

35キロ過ぎから、脚が重くなりペースが落ちましたが練習不足を考えれば想定内でした。

ただ、この時から少しずつ体の変調は出ていました。両手先が冷えて感覚がなくなってきたのです。

もともと冷え性な私は、防寒対策として携帯用のカイロを手袋に張り付けて走っていました。

それでも徐々に指先が冷えてきたのが35キロ過ぎでした。

そして38キロ手前から、両上肢がしびれ、指先の感覚がなくなってきました。

携帯していたゼリーをウエストポーチから取り出すことができません。

指先がほとんど動かないのです。給水もできません。

39キロ地点では両下肢にもしびれが出てきました。もう、リタイヤすべきですね!

この時点で。

頭の中で、このままゴールを目指して走り続けるべきか、リタイヤするべきかの選択に迫られていました。

さあ、あたなはこの時点でどう考えますか?

「38キロ以降の大失速」の原因 その1
ズバリ「低体温」です。

マラソンによる低体温

マラソンは天候に大きく左右されます。気温や湿度、風などその時の環境によって大きく影響を受けますよね。

当日のレースで、少なくても30キロ以降では徐々に低体温になっていたのだと思います。

30キロ以降に少し風がでてきたために、発汗して身体が冷えてきたこと。

そして練習不足のため、予想以上に筋疲労があり末梢血管が閉じてしまったこと。

給水が不十分で脱水傾向にあったこと(この脱水については後程詳しく)

そして防寒対策が不十分だったこと。

などが挙げられます。

当時の私は自分としては十分防寒対策を取っていた(つもり)でした。

防寒・防風対策としてNORTH FACEの手袋にカイロ。

ネックウォーマーにアームウォーマー、上着は発汗性の高いインナーにランニングTシャツ。

下はランニングタイツを履いていました。

地元熊谷では温度がマイナスの中で練習することもありましたし、風の強い日のRUNも経験していました。

ですから、ここまで体温を奪われるとは思っていなかったのです。

38キロ地点で、両上肢がしびれ、手指の感覚がなくなってきた時点で「リタイヤ」すべきでした。

39キロ地点で沿道のスタッフの方に、ウエストポーチを開けていただきチョコレートを口に入れてもらいました。

「脳」が少し元気になった(錯覚)ので、とにかく「完走」を目標に走り続けることを選択しました。

↑ ↑ ↑

これは間違った判断です。

ソチオリンピックで浅田真央さんが、大失敗のSPから一転、翌日のフリーで素晴らしい演技を見せてくれました。

凄まじい精神力。

どんなに辛かったかはご本人でないとわかりませんが、相当の困難な状況だったのは想像できますよね。

真央ちゃんの苦しみに比べたら、屁でもない!と自分自身を叱咤激励し鼓舞していたのです。

絶対に最後まで目標に向かって諦めずに頑張る!と。

結果として、残りはフラフラになりながら何とか気持ちだけで身体を動かしながらゴール。

完走できましたが、たまたまラッキーだったとしか言いようがありません。

途中で倒れていてもおかしくなかったわけです。

さて、あなたはご存知でしょうか。マラソンで死に至る原因は以下の3つです。

1) 低体温
2) 脱水
3) 心肺停止

今回のレースで、私はこの1)と2)を経験したのです。

幸い事なきを得て、現在に至りこのように報告していますが、一歩間違えていたらと思うとぞっとします。

もう2度とこのような経験をしてはいけませんが、どんなに注意をしていてもいつトラブルが起こるかわかりません。

万が一、もしあなたが経験してしまったらすぐに走るのをやめ、安静にして体を温めましょう。

今回のレースでは冷静になって、38キロ手前でリタイヤすべきでした。

指の感覚がなくなり、両上肢にしびれが出てきたときにレースをやめるべきでした。

適切な対処ができませんでした。

大きなミスですね。

大反省です。。。

次回は
「38キロ以降の大失速」の原因 その2

として報告いたします。

あとがき

ゴール後、医務室で温かい飲み物と毛布で体を温め10分後には完全復活。

すぐにでも走れそうなほど元気になりました。

今回のような経験をあなたには味わってほしくありません。

写真は復活してからパチリ!

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