ランナーのためのランニング障害SOS

まつだ整形外科クリニック

ピッチ走法とストライド走法

2017年4月10日

こんにちは、理学療法士の法貴です。
今回は走り方とケガの予防についてです。




走り方は大きく分けて2種類のタイプがあり、ピッチ走法、ストライド走法といいます。

ランナーであれば1度は聞いたことがある言葉かと思います。

ピッチ走法:歩幅を小さく、足の回転を早く走る走り方
ストライド走法:歩幅を大きく、足の回転はやや少なくして走る走り方

一般的にピッチ走法は筋力が弱い人や初心者ランナーに向いていると言われ、ストライド走法は筋力が強い人、体格の大きい人(足の長い人)に向いていると言われます。

なぜでしょうか?

今回はこのことについてランニング障害の予防、という点から考えてみます。

ストライド走法




ストライド走法は足を大きく前に出すため、蹴り出す足(写真の右足)にはより強く地面を蹴る力が必要になります。

前に出る足(写真の左足)は大きな重心移動による地面からの反発力を制動することになります。

そのため筋力が弱く、フォームが定まっていない初心者ランナーは、身体の一部分に無理が生じやすくなり、それが積み重なることで痛みが生じるリスクがあります。

十分な膝・股関節まわりの筋肉と体幹機能(腹筋・背筋のバランス)などが必要となってきます。

ピッチ走法




一方、ピッチ走法は地面からの反発が少ないためにケガはしにくいですが、その分足を速く回転する必要があります。

そのため、エネルギーを消費しやすいともいわれ、速いタイムを出すためには高い心肺機能が要求されます。

また、足の回転数が上がることで体が捻る回数が多くなり、初心者ランナーは特に肩甲骨まわりに力が入りやすくなってしまうこともあります。

肩の力を抜いて効率良く腕を振ることも、関節に負担をかけないことにつながってきます。

自分にあった走法で

ストライド走法は1歩分を多く稼げるので、足が長いとそれだけ速く走ることが可能です。

少しでもタイムを上げたい人は歩幅を広げることも手ですが、同時にケガ予防のための体づくりも重要になってくるでしょう。

日本のトップレベルのランナーでもピッチ走法で速い人もいれば、ストライド走法で速い人もいます。

元々の体格や心肺機能なども踏まえて、あくまでも自分に合った走り方・フォームを追求していくことが大切ということになります。

最新の記事