ランナーのためのランニング障害SOS

まつだ整形外科クリニック

後脛骨筋腱炎

2013年11月5日

こんにちは!

ランニング障害SOSサイト運営している市民ランナー整形外科医の松田です!

各地で大会が開催され、いよいよ本格的なシーズンの到来ですね!
夏場に走り込んだランナーにとっては実力を試すいい機会ですね。

今回は引き続き<足のランニング障害>について説明します。

後脛骨筋腱炎

 

後脛骨筋はふくらはぎの奥にある筋肉で、足の底屈・うち返しをする機能があり、ランニング動作において重要な筋肉です。

荷重時に足を安定させたり、着地の衝撃を和らげる働きがあります。

そのため、ランニング動作で後脛骨筋が引き伸ばされたり、一部断裂することで痛みは腫れを生じます。

また、この筋肉の機能が低下してしまうと、足のアーチを低下させて扁平足の一因になります。

後脛骨筋は脛骨の後面からはじまり、脛骨後内側、内果後方を経て舟状骨内側に付く筋肉です。

つまり、足関節の内果(うちくるぶし)の後方から下方へと走行しています。

特に、この舟状骨に外脛骨(副舟状骨)が介在すると、炎症を起こしやすく、特に成長期に多くみられます。

底屈・内反位、つまり爪先立ちで内くるぶしの後方に痛みが出る場合は、この後脛骨筋膜炎を疑いましょう。

●診断
 
後脛骨筋に沿う圧痛と腫脹が見られます。

進行してくると片脚でのつま先立ちが困難になり、ランニングに大きな支障が出ます。

また、アーチが崩れ扁平足になってきます。

足の縦アーチを評価するうえでは、立位荷重での足部側面X線像が大切です。

また、MRIにて腱の損傷や腱鞘の滑膜炎を診断することが出来ます。

なお、症状が進行すると筋力の低下や扁平足の進行につながるので注意が必要です。

医療機関での診断を受けましょう!

●治療方法

1) テーピング(足底版)
足の縦のアーチを支持するために有効です。

2) 運動制限
症状に合わせて運動を制限します。症状の強い場合は炎症が
治まるまで、ランニングの中止が必要になります。

また、消炎鎮痛剤の内服や足関節の固定などを行います。
足部の筋力訓練やストレッチも合わせて行います。

3) 手術療法
完全に断裂してしまったケースでは、保存療法では改善しません。
後脛骨筋腱の再建が必要になります。

後脛骨筋腱炎のまとめ

✔爪先立ちで足関節内果の後方に痛みを生じる。
✔アーチが崩れ扁平足の一因になる。
✔断裂した場合は手術(再建)が必要。

—-あとがき—-
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