ランナーのためのランニング障害SOS

まつだ整形外科クリニック

下肢の疲労骨折1

2013年11月12日

こんにちは!

ランニング障害SOSサイト運営している市民ランナー整形外科医の松田です!

NHKの朝の連続ドラマ小説「あまちゃん」はご存知ですよね。

熱烈なファンが多く、放送終了後には「あまロス症候群」という言葉まで生まれたそうです。

この「あまちゃん」が11月以降に台湾とタイで放送されることが決まったそうです(^^

まさに「じぇじぇじぇ~!」ですね(^^

今回から<下肢のランニング障害>における疲労骨折について
解説しますね。

恥骨疲労骨折

恥骨疲労骨折は特に女性ランナーに発生しやすいことが知られています。

発生個所は恥骨の上枝とに大別されますが、下枝のほうに 多く見られます。

●病態

基本的には、恥骨に繰り返しかかる負荷、ストレスにより生じます。

腹直筋による引っ張り上げる作用と、内転筋といわれる大腿を内側に寄せる力が同部位にかかります。

そのため、これらの筋肉による繰り返される負荷によって疲労骨折が起こるのです。

●発生メカニズム

恥骨上枝には体幹の支持に必要な腹直筋の収縮による牽引張力が働きます。

また、恥骨下枝には、内転筋の収縮による牽引張力が働き、それぞれ反復されて負荷がかかることにより引き起こされます。

また、女性に多い理由として、女性の骨盤が横に幅広く、 中心から離れた股関節に着地刺激を受けやすいためだと考えられています。

●治療方法

基本的にはランニング量の制限が必要です。

特にスピードやストライドを抑えて、ゆっくりとジョギングする程度であれば、無理しない範囲(痛みの出ない範囲)であれば問題ないでしょう。

基本的に大きな問題となる骨折ではありませんが、治癒までに長期を要することがあるので注意が必要です。

恥骨疲労骨折のまとめ

✔女性ランナーに多い
✔恥骨下枝に多い
✔診断や治癒までに長期を要することがある

Memo

疼痛や違和感の症状がでてから、診断に至るまでしばしば 長期間を要することがあります。

女子選手では相談しにくい場所ですし、一般的に知られて いないため、男子選手でもまさか疲労骨折とは思わないようです。

あとがき

恥骨疲労骨折の場合、痛みの症状がでてもレントゲン検査ではわかりにくい事がしばしばあります。

そのため、恥骨周囲の痛みが出たら、MRIや骨シンチグラフィーを受けると良いでしょう。早期診断に役立ちますね。

ちなみに当院ではランナー、ラグビー選手、サッカー選手で治療経験があります。

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