大腿骨骨折 下肢の疲労骨折2
2013年11月13日
こんにちは!
ランニング障害SOSサイト運営している市民ランナー整形外科医の松田です!
今週末は大阪マラソンですね!当選されて参加される皆さん、頑張って下さいね。
私は今まで全て落選しています(涙
来年こそは走りたいものです(^^;
さて、今回は<下肢の疲労骨折>の中でも大腿骨疲労骨折について説明します。
大腿骨疲労骨折
大腿骨は股関節から膝関節に至るまでの長い骨であり、付け根の頸部から顆上部までさまざまな疲労骨折が発生します。
大腿骨は大腿四頭筋、ハムストリング、内転筋などの大きな筋群で覆われているため、疲労骨折の症状は時としてわかりにくい事があります。
●病態
大腿骨に加わる過度の荷重や筋肉による張力が繰り返しかかることによって生じる疲労骨折です。
●メカニズム
□大腿骨頸部疲労骨折
股関節を介した荷重による衝撃のため生じます。外側には張力が、内側には圧縮力が加わります。
繰り返される負荷により、頸部を内反させる力が強く作用すると外側から骨折線が生じます。
さらに、内反力が加わると離解して転位するので注意が必要です。
□骨幹部骨折
骨幹部骨折は内側に生じます。これは内転筋による牽引張力のためだと考えられています。
□顆上骨折
顆上部による骨折では、内転筋や腓腹筋などの張力が 作用して発生します。
このケースではかなり強い収縮力が加わった結果であり、完全骨折で見られることが多いと報告されています。
●治療方法
基本的には安静やランニング制限が必要です。1~2か月で癒合することが多く、比較的経過は良好といえます。
ただし、転位のある骨折例や頸部の外側骨折のケースでは手術を要することがあるので注意が必要です。
memo
疼痛を誘発して再現するテストがあります。ぜひ、参考にしてください。
頸部や近位部の骨折では、片脚ジャンプで疼痛が誘発されます。
顆上骨折では抵抗をかけて膝を屈曲させると疼痛が誘発されます。
骨幹部骨折ではFulcrum testが有効です。
このテストは、検者の腕を大腿部の下に置き、膝を強く押すことで大腿骨にたわみを加え疼痛を誘発します。
なお、レントゲンでは診断困難なケースもあります。その際にはMRIが非常に有用です。
大腿骨疲労骨折のまとめ
✔大腿骨に荷重や筋肉による張力の反復的な負荷が原因
✔基本的には安静や制限で治癒する
✔転位例では手術が必要になるケースがある
あとがき
疲労骨折は特に早期診断・早期治療が復帰への近道といえます。我慢して診断・治療まで遠回りすれば、それだけ復帰が遅れます。
出来るだけ早期に整形外科を受診しましょう~♪