脛骨疲労骨折 下肢の疲労骨折3
2013年11月14日
こんにちは!
ランニング障害SOSサイト運営している市民ランナー整形外科医の松田です!
台風27号が去り、強い風が吹いています。
気温も下がり、一気に冷え込んできました(–;
明日は大阪マラソンをはじめ、全国各地で大会がありますね~。
参加する皆さん頑張ってください♪
今回は<下肢の疲労骨折>における脛骨疲労骨折について説明します。
脛骨疲労骨折
脛骨疲労骨折は数ある疲労骨折の中でも、多くかつ時に治療に
難渋する場合あります。
●病態
脛骨疲労骨折は、前方骨皮質に発生する跳躍型疲労骨折と、
内側から後方の骨皮質に発生する疾走型疲労骨折に大別されます。
この疾走型疲労骨折は、ランニング障害における疲労骨折としては
最も多い骨折です。
その他に、頻度としては少ないですが
顆部と足関節内果に生じるものがあります。
これらはいずれも繰り返される脛骨への荷重と衝撃に
よるものです。
●好発部位
脛骨疲労骨折は疾走型と跳躍型に分けられます。
□疾走型
疾走型はランニングの繰り返しなどで起こり、
脛骨上1/3または下1/3境界部に主に発生します。
□跳躍型
ジャンプなどの繰り返しで起こり、脛骨の中1/3に
発生します。
なお、発生頻度は疾走型の方が多く見られます。
●レントゲン所見
□疾走型
脛骨後内側に線上の骨膜肥厚、骨皮質に横走する骨折線や
帯状の骨硬化像を呈します。
□跳躍型
脛骨中央部前皮質骨に骨改変層を呈します。
●治療方法
□跳躍型
跳躍型では偽関節や完全骨折に至るケースも
少なくありません。
そのため、長期間癒合しない場合は手術を選択することが
多くなります。
現在、最も推奨されているのは髄内釘固定です。
□疾走型
ランニングの制限や安静にて、1~2か月でほとんどの
ケースで治癒できます。
□顆部
疾走型と同様、ランニング制限、安静で治癒が期待できます。
□足関節内果
偽関節となってわかることが多くあります。足底板の治療や
SAFHS(sonic accelerated fracture healing system:
超音波骨折治療器)の使用、骨接合手術も必要とされます。
脛骨疲労骨折のまとめ
✔ランニング障害に多い疾走型とジャンプの繰り返しで
起こる跳躍型
✔疾走型は脛骨上1/3または下1/3境界部、
跳躍型は中1/3に発生
✔疾走型は制限、安静で治癒するが、跳躍型は
手術になるケースが少なくない
あとがき
私の左脛骨は小学時代の縄跳びが原因の
「跳躍型疲労骨折」です。
結局だましだまし運動を続けていましたが、
40歳時に髄内釘固定術を受けました。
その後さらに1度骨折して運動制限と
SAFHS治療を併用しました(汗
跳躍型の治療はすべて試しています…
私のケースは非常にレアケースですが、
跳躍型は難渋するケールがあるので注意しましょう~(^^;