ランナーのためのランニング障害SOS

まつだ整形外科クリニック

腸腰筋腱炎

2013年11月21日

こんにちは!
ランニング障害SOSサイトを運営している
市民ランナー整形外科医の松田です!

最近、体脂肪を落とすトレーニングを取り入れています。
効果が出たら報告しますね♪

さて、今回は体が後傾したフォームで走っているランナーに
多い障害の一つを紹介します。

腸腰筋腱炎

●腸腰筋とは

腸腰筋は腰椎と骨盤および大腿骨をつないでいる筋肉です。
体を支え、地面を蹴るためにとても大事な筋肉で、
大腿骨の内側(小転子)に付着しています。

●診断

着地時の股関節内側の痛みや蹴り出した足を
引き戻す際の痛みは腸腰筋腱炎を疑います。

●メカニズム

ランニング中に蹴り足が後ろに流れると、腸腰筋腱が
引き伸ばされます。

繰り返しこの負荷がかかると筋の微細な損傷を起こします。

また、蹴り足を引き戻そうとして、股関節を屈曲させるために
大腿四頭筋や腸腰筋に負担がかかります。

そのため、骨盤が後傾していたり蹴り足が後ろに
流れているランナーは要注意です。

●治療法

ランニング中に痛みを生じたら無理せず休みましょう。
軽症であれば1~2週間程度の休養で大丈夫です。

ただし、肉離れのような強い痛みの場合は、
時として長期の安静が必要になります。

●予防

フォームをチェックして蹴り足が後方に流れないように
注意しましょう。

また、ストレッチを行い柔軟性を高めましょう。

一度生じると再発することもありますので、
股関節前後の筋力バランスを鍛えることが必要です。

あとがき

腸腰筋腱炎は基本的には痛みが軽くなればランニングの
再開をしても問題ありません。

骨盤が後傾していたり、大腿四頭筋や腹筋などの筋力不足、
そしてハムストリングを中心にした柔軟性が不足していると
生じやすい傾向にあります。

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