ランナーの体脂肪率
2013年12月11日
こんにちは!ランニング障害SOSサイトを運営している
日本医師ジョガーズ連盟会員ランニングドクター
(整形外科医)の松田です!
あなたの体脂肪率はいかほどでしょうか?!
昨年の今ごろは15%前後、そして走り込み不足の今年は
何と20%の大台(涙
私のベストは12%前後だと思っています。
落とし過ぎると風邪を引いてしまいます(^^;
ちなみに、エリートランナーでは男性で一桁は当たり前!
女性でも8%なんてランナーがいるそうです。
それでは体脂肪率はどの程度がいいのでしょうか?
具体的な数字をあげることは難しいですが、
医学的見地から考察してみました!
体脂肪率とは?
体脂肪率とは体の脂肪が占める重量の割合をいいます。
近年では体脂肪率が簡単に測定できるため、
一般家庭にも普及されていますね。
それでは適正の体脂肪率はあるのでしょうか?
適正体脂肪率
世界共通の明確な基準は決められていません。
ここでは東京慈恵医科大学での判定基準を紹介します。
◆男性
・30歳未満 適正値 14~20%
・30歳以上 適正値 17~23%
◆女性
・30歳未満 適正値 17~24%
・30歳以上 適正値 20~27%
体脂肪の役割
出来るだけ体脂肪を抑えたいという願望は
誰にでもあるでしょう。
でも、体脂肪がなければ人間は生きていけません!
体脂肪の大きな役割として
1) エネルギーの備蓄
栄養素が1gあたりに蓄えることができる熱量は、
糖質やタンパク質で4キロカロリー。
一方で脂質では9キロカロリーもあります。
つまり、エネルギーを蓄える上で、
脂質は一番効率がいい物質と言えます。
また、細胞質がリン脂質でできていることを考えれば、
脂肪は体の中の細胞をつくるうえで欠かせない重要なのです。
脂質がなくなれば、細胞はなくなってしまうのですから、
人間は生きていけなくなるのです。
2) ホルモンの源になっている
男性ホルモン、女性ホルモンのような性ホルモン、そして
副腎皮質ホルモンであるコルチゾールやアルドステロンなどは
脂肪でできています。
つまり、脂肪がないとホルモンもできなくなって
しまうのです。
脂肪の大切さがわかってでしょうか。
不可欠脂肪
人間には必要不可欠な体脂肪、つまりこれ以上なくなると
生命に関わるという体脂肪の量が定められています。
これを「不可欠脂肪」と言います。
・男性 4%
・女性 12%
ここで、女性の値が高いのは、妊娠や出産に大きく関わって
くるからです。
赤ちゃんを産んで育てるには、それだけエネルギーが必要になります。
また、妊娠してから分娩までの間、脂質からできたホルモンが
作用しているからです。
ちなみに、女性の場合は12%を切ってくると
生理が止まると言われています。
体脂肪低下のリスク
体脂肪が落ちすぎると様々な危険が生じます。
特に女性の場合はリスクが高くなってきます。
トップアスリートの中には、体脂肪率が8%の人もいるそうです。
がこれはかなり危険なレベルです。
女性ホルモンの分泌が悪くなり、生理は止まりますし、
骨粗鬆症にもなります。
この状態で激しい運動を続けると疲労骨折や貧血などになり、
引退を余儀なくされるケースも実際にあります。
少なくてもオフシーズンの間は最低でも12%を切らないように
することが大切です。
また、男性でもどんなに落としても5%を切ると
生命に関わります。
特に、神経細胞が沢山あり、もっとも脂肪を必要としている
脳が機能しなくなります。
ランナーにとっての理想の体脂肪率
これはあくまでも私見ですが、男性の場合はストイックに
頑張っても10%を少し切る程度。
女性であれば15%程度が無難ではないでしょうか。
少なくても世界トップレベルで勝負するのでなければ、
この程度に抑えていく方が長く楽しく走れると思います。
あとがき
ボディービルの選手は男性で6%程度まで落とすそうです。
しかし、ランナーと比較して持久力は必要ありません。
種目によっても異なってきますね。
あなたもまめに体脂肪率を測ってみましょう。
その時の走りのコンディションなどを記録しておくと、
自分に合った体脂肪率がわかりますよ♪