埼玉県熊谷市で「まつだ整形外科クリニック」を開院しています。5年ほど前から走り始め、2012年の東京マラソンでサブ4を達成。その後は古傷と相談しながら時間を見つけて楽しく走っています。モットーは【楽しみながら走る「Fun Run」】
故障しても走りながら治すことを提唱しています!
このサイトが少しでもランナーのみなさんのお役に立てれば幸いです(^^
整形外科医市民ランナー

大腿部のランニング障害(ハムストリング)

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2013年11月2日




こんにちは!

ランニング障害SOSサイト運営している市民ランナー整形外科医の松田です!

先日、フロリダ留学時代の恩師が来日して2年ぶりに
飲みながら楽しい時間を過ごしました。

かれこれ8年の付き合いになります(^^ 近況を報告し合いました♪

さて、今回は<大腿部のランニング障害>について解説します!

大腿部ランニング障害の特徴


大腿部ランニング障害の代表的な疾患は<肉ばなれ>です。

特にハムストリングと大腿四頭筋がもっとも多く起こります。
また、坐骨結節周辺の痛みも大切です。

●肉ばなれの意味とその分類

肉ばなれとは、打撲などの直接的な外力とは違い、
自らの筋力または介達外力によって筋が過剰に
伸展されることにより発症します。

肉ばなれはその程度(重症度)によって3つに分類されます。

Ⅰ度(軽症):筋腱移行部における血管損傷
 ⇒その多くは微小血管の損傷による出血やその後の炎症により
腫脹が起こるケースです。

ほとんどが痛みは軽度で可動域制限もわずかです。

Ⅱ度(中等症):筋腱移行部、特に腱膜の損傷
 ⇒筋力や可動域制限が明らかになってきます。
特に歩行時の痛みが強くなってきます。

Ⅲ度(重症):腱性部(付着部)の断裂
 ⇒大きな負荷、ストレスが加わった結果、
腱性部の断裂や付着部の裂離損傷となり
歩行困難となるケースが多くみられます。

<豆知識>

ランニング中の肉ばなれで起こりやすい部位はどこでしょうか。

最も起こりやすいのはハムストリングで大腿二頭筋(長頭)や
半膜様筋に好発します。

次に多いのが内転筋群(恥骨筋なども含む)や下腿三頭筋
(特にヒラメ筋)そして、大腿四頭筋(大腿直筋)の順に
多く見られます。

ハムストリング肉ばなれ


●診断
診断はエピソードから容易に判断できます。

確認するには、腹臥位になってもらい、膝を補助しながら
屈曲していきます。

そうするとハムストリングの緊張をとることが出来るので、
患者さんも楽に検査できます。

触診では、圧痛、腫脹や陥凹などを確認します。
Ⅲ度の重症例では欠損部を触れることができます。

また腹臥位で膝の伸展がどれほど可能か確認することも大切です。
重症例は完全進展できません。

Ⅰ度からⅢ度までの分類はMRIが有用です。

●発生メカニズム

経験されたことがある方は良く思い出してください。

もっとも起きやすいのは走っているときですが、
特に着地(接地)するときに起こります。

下腿が接地直前に前方へ振り出されてからブレーキを
かける際に、ハムストリングが強く収縮されて発生するのです。

また、接地の瞬間に起こることもあります。

これは、接地の際に地面から受ける反床力と、
上半身が前方に進む推進力によって、股関節が他動的
に屈曲されるために、ハムストリングが収縮するためです。

いずれにしても接地前後は要注意です。

●肉ばなれの要因 

一般的に肉ばなれの要因としては以下のものが挙げられます。
・筋肉の疲労
・筋損傷(すでに損傷している状態)
・ストレッチ不足
・柔軟性の低下
・筋力のアンバランス(大腿四頭筋とハムストリング)
・体幹の不安定
・不安定なランニングフォーム

●治療方法

Ⅰ度:早期のストレッチ開始が可能で、予後良好です。
多くは数日から数週で完全復帰可能です。

Ⅱ度:筋腱移行部の損傷があるために、
アイシングなどの応急処置を行います。

定期的に筋腱移行部の修復状況をMRIで確認します。

一般的には競技復帰まで数週から数か月要します。

Ⅲ度:腱性部の断裂があり、保存的治療では数か月以上要します。

また、筋肉の違和感、ひきつれ感なども残存することもあり、
早期修復術の適応になることがあります。

競技復帰のポイント!

 
復帰するにあたり、大切なポイントがあります。
1) 痛み
患部の圧痛がないか、またストレッチした際に痛みが出ないかを
確認します。

2) 柔軟性
ハムストリングの柔軟性が健側と比較して回復していること。

3) 筋力
筋力の左右差がない、もしくは90%以上は回復していること。

そして再発予防のために、接地動作で安定させるために
体幹を強化することが必要です。

ハムストリング肉ばなれのまとめ

 
✔RUN中の接地前後に起こりやすい
✔Ⅰ度であれは早期に復帰可能だが、Ⅱ度以上は数か月
かかることがあり注意が必要
✔競技復帰には痛み、柔軟性、筋力を確認して、
再発予防訓練を行うことが大切



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