モルトン(モートン)病
2013年11月7日
こんにちは!
ランニング障害SOSサイト運営している市民ランナー整形外科医の松田です!
当院には様々なレベルの市民ランナーが来院されますが、最近はウルトラマラソンランナーも増えてきていますね。
その中でもサロマ湖100キロウルトラマラソン(100キロの部)を10回完走した勇者に与えられるサロマンブルーという称号があります。
この称号を手にしているランナーの障害のお話をしましょう。
それは足のランニング障害の一つ「モルトン(モートン)病」です。
モルトン病とは
足の3番目と4番目の付け根の中間部分にあたる足底で知覚神経が圧迫されて炎症を起こし、ピリピリした痛みが生じます。
これをモルトン病といいます。モルトンとはこの障害を最初に報告した医師の名前です。
●病態
足の3番目と4番目の付け根には知覚神経が複数合流しており、他の神経よりも太くなっています。
そのため圧迫を受けやすいのです。
モルトン病は神経種が圧迫されて症状が出る場合もあります。
が、多くは体重がかかり横のアーチが潰れてしまうことにより、滑液包というクッションが炎症を起こしてしまいます。
その結果、指神経を圧迫してしまい、症状がでるのです。
●症状の特徴
走っている途中に突然、痛みが発生し、シューズを脱ぐと痛みが引くのが特徴です。
ピリピリした痛みや、ゆびの感覚が鈍くなるような感覚障害を呈することもあります。
●要因
明らかな要因がなく発症することがありますが、前足部が内側を向いている人や、足指の機能が低下して横アーチが崩れていると生じやすくなります。
また、足幅の狭い靴を履き続けた結果生じることがあります。
●治療
足先にゆとりのあるシューズに変えたり、集めの靴下や衝撃吸収のあるインソールでクッション性を高める方法があります。
また、足底の横アーチを保つために足底装具使用するのも効果的です。
基本的に3つの段階に分けることが出来ます
1) 靴の指導や、足底板による治療
2) 局所麻酔薬を注射して、痛みを和らげます
3) 上記で効果がない場合は手術適応になります。
なお、確定診断をかねて局所麻酔を行うこともあります。
—-あとがき—-
私の患者さんはこのモルトン病を克服して見事サロマンブルーの称号を手にしました。
10回目の完走を達成してメダルを持ってきて下さいました。
感動しました~♪
私はほとんど何もしていませんが(汗)結局彼が一人で治しました。
足指の筋力を鍛えるために、裸足ランニングに近いビブラムファイブフィンガーシューズでの練習。
そしてインソール。
この2つで克服しました。
いつか私も参加したいですね~。
そして1度でもいいので完走~!(夢物語ですけど)