体脂肪を有効に燃焼させるには?
2014年2月10日
こんにちは!ランニング障害SOSサイトを運営している日本医師ジョガーズ連盟会員ランニングドクター(整形外科医)の松田です!
前回の「カーボローディング」とも深く関連している走るときのエネルギーについてお話しします。
ランナーが使うエネルギーは2種類あります。
一つが、身体に蓄積された糖質である「グリコーゲン」ですね。そしてもう一つが、「体脂肪」です。
あなたもご存知のように、通常は「グリコーゲン」から多く消費されていきます。
続いて、しばらく経ってから「体脂肪」が使われてきます。
グリコーゲンはすぐにエネルギーに変わりやすいので、先に消費されます。
しかし、体内に蓄えられる量は僅かです(体重60キロの人で約1,800Kcal)
一方、しばらく時間はかかりますが体脂肪は 莫大なエネルギーを蓄えています。
脂質1Kgで約7,000Kcalを生むと言われていますので、体重60K,体脂肪率15%のランナーで63,000Kcalもあります。
ですから、この体脂肪を有効にエネルギーとして消費できれば後半のスタミナ切れを防ぐことが出来るわけです(^^
体脂肪を有効に燃焼させるには?
それではどうすれば体脂肪を有効に燃焼できるのでしょうか。
答えはずばり「有酸素運動」です!
あの福岡大学の田中宏暁教授が提唱されている「脂肪燃焼」のための運動強度は「ニコニコペース」。
これこそ有酸素運動を意味しています。
人と笑顔で話せるぐらいの強度が目安で、そのペースだとエネルギー源として体脂肪が優先的に使われると言われています。
有酸素運動における脂肪燃焼
そもそも有酸素運動とは酸素を消費して十分な呼吸を確保しながら行う運動です。
運動を続けると、筋肉には疲労物質である乳酸が溜ってきます。
このとき、呼吸で取り入れた酸素と血液中の脂肪と乳酸が合成されると、乳酸が除去されます。
この一連の流れで脂肪が燃焼されて再エネルギー化されているのです。
有酸素運動を有効に行うには?
それでは、どの程度のレベル(強度)で運動を行えばいいのでしょうか。
レベルが高すぎると、呼吸が辛くなり乳酸がエネルギー源として再合成される前に乳酸が溜ってしまい筋肉を動かせなくなってしまいます。
一方、レベルが低すぎると酸素を多く血液中に取り込めないために、乳酸は生成されず、効率よく燃焼されません。
つまり、適度なレベルでの運動が必要と言えます。
心拍数を目安にする!
一般的には心拍数を活用して運動のレベルを保ちます。
脂肪が効率よく燃焼させるには、最大心拍数の60-80%が良いと言われています。
ランナーには当然、個人差がありますので、心拍数を活用して運動レベルを決定するのがお勧めです。
また、初心者で体力に自信がないランナーは最大心拍数の60%、自身があるランナーは80%を目標にしてみましょう。
ちなみに、一つの目安は「最大心拍数=220―(年齢)」です。
ですから46歳の私が70%の運動レベルで行うのであれば、
最大心拍数 220-46=174
脂肪燃焼燃焼効率が高い心拍数は 174X0.7=約122 となります。
ただし、理想であればランニングマシーンなどで追い込んで一度自分の最大心拍数を知っておくと良いでしょう。
また、個々のレベルが上がれば最大心拍数も増えてきますので定期的に確認すると良いでしょう。
あとがき
当然、空腹時で走ると脂肪燃焼が優先されます。
徹底的に鍛えるのであれば、空腹の状態で長時間走るのが良いわけです。
ですから朝ランでのLSDは脂肪燃焼には理想的です。
ただし、無理して走るのはやめましょう。低血糖で倒れてしまいます(^^;